既存原稿を Plotoriaに 持ち込む前の 整理術| 書きかけ小説の 移行準備
書きかけの小説や投稿済み作品をPlotoriaに取り込む前に、原稿ファイル、話の区切り、設定メモ、伏線、アイデアをどう整理しておくと再開しやすいかを紹介します。

書きかけの小説を、別の場所へ持ち込もうとするとき。
最初に悩むのは、どのファイルを使えばいいのか、どこまで整理してから入れればいいのか、ということかもしれません。
投稿サイトに公開済みの本文がある。ローカルのテキストファイルもある。メモアプリには設定や没案が残っている。古いプロット、キャラクター表、伏線メモ、思いつきの断片もある。
全部を一度にきれいにしようとすると、それだけで疲れてしまいます。
既存原稿をPlotoriaに持ち込む前に必要なのは、完璧な整理ではありません。まずは「本文」「設定」「これから見直したいこと」を分けて、あとから戻りやすい形にすることです。
まずは本文を「話ごと」に分けておく
Plotoriaでは、既存の本文を取り込むとき、話ごとに分けて登録できます。
そのため、最初に確認したいのは、原稿がどこで区切られているかです。
- 第1話、第2話のような見出しがある
# 第1話のようなMarkdown見出しになっている---や空行で区切られている- 1ファイルに全話が続けて入っている
- すでに話ごとのファイルに分かれている
どの形でも、いきなり全部を直す必要はありません。まずは「ここからここまでが一話」と分かる目印を置きます。
おすすめは、各話の先頭に見出しを入れておくことです。
# 第1話 雨の駅
本文...
# 第2話 古い約束
本文...
このようにしておくと、取り込み時に話タイトルとして扱いやすくなります。タイトルがまだ決まっていない場合は、「第12話」だけでも十分です。
投稿済み本文と手元の原稿がずれていないか見る
長く書いている作品ほど、手元のファイルと投稿サイト上の本文が少しずつずれていることがあります。
投稿後に誤字を直した。 ローカル原稿だけに続きがある。 下書きファイルには没にした場面が残っている。 投稿サイトでは章タイトルを変えた。
こうした差分を完全にそろえてから取り込もうとすると、移行作業が大きくなりすぎます。
まずは、どちらをPlotoria上の「基準の本文」にするかだけ決めます。
公開済みの状態を基準にしたいなら、投稿サイトからコピーした本文を使う。手元の最新版を基準にしたいなら、ローカル原稿を使う。どちらを選んでも構いません。
大切なのは、「これは今後見返す基準」と決めておくことです。迷う本文を複数持ち込むより、まず一つの軸を置いたほうが、あとから整理しやすくなります。
設定メモは本文と混ぜずに分ける
既存原稿には、本文の近くに設定メモが混ざっていることがあります。
たとえば、原稿ファイルの末尾に「主人公の過去」「国の名前」「あとで使う伏線」「口調メモ」が書かれているような状態です。
これは執筆中には便利ですが、取り込むときは本文と混ざりやすくなります。
Plotoriaに持ち込む前に、次のように分けておくと扱いやすくなります。
- 本文: 読者に見せる文章
- 登場人物: 名前、別名、口調、目的、関係
- 設定・用語: 地名、組織、能力、歴史、ルール
- 伏線: まだ回収していない仕込み、あとで意味を持たせたい描写
- アイデア: 採用するか未定の展開、会話、場面案
ここでも、完璧な分類は不要です。
「これは本文ではない」と分けるだけでも、あとで読み返す負担はかなり減ります。迷うものは、まずアイデアとして置いておけば十分です。
取り込み前に消さないほうがいいもの
移行前に原稿を整理していると、古いメモや没案を消したくなることがあります。
でも、書きかけの長編では、今は使っていない断片が、あとで再開のきっかけになることがあります。
昔の展開案。 使わなかった台詞。 結末候補。 キャラクター同士の関係メモ。 自分でも意味を忘れかけている伏線。
こうしたものは、本文に混ぜたままにする必要はありません。ただ、すぐ捨てる必要もありません。
Plotoriaに入れるなら、アイデアや伏線として分けて残しておくと、「これはまだ使えるかもしれない」と見直せます。
不要かどうかは、整理してから判断すれば大丈夫です。
取り込んだ後は、全部を直そうとしない
既存原稿を取り込んだ直後は、いろいろな空白が目につきます。
あらすじがない話。 目的が書かれていない話。 章に入っていない話。 キャラクター設定が薄い登場人物。 未回収のまま残っている伏線。
ここで全部を埋めようとすると、また止まりやすくなります。
最初にやることは、一つだけで十分です。
- 直近で続きを書きたい話に目的を入れる
- 主人公の現在の目的だけ整理する
- 未回収の伏線を三つだけ登録する
- 次に書く章の要約を一行だけ置く
- AIに相談したいことを一つメモする
既存作品の整理は、引っ越しではなく棚卸しです。全部を新しく作り直すのではなく、いま必要なものから手元に出していく感覚で進めるほうが続きます。
Plotoriaは、執筆環境の乗り換えを迫る場所ではない
Plotoriaは、本文を書く場所をすべて置き換えるためのツールではありません。
使い慣れたエディタや投稿サイトがあるなら、そのまま使って構いません。Plotoriaは、止まった物語に戻るために、本文、設定、伏線、アイデアを見渡せる形に整理する場所です。
取り込み機能では、テキストやMarkdownの原稿を話ごとに分けて登録できます。取り込んだあとは、各話の状態、章、目的、字数、関連する伏線やアイデアを少しずつ整えられます。
行き詰まったときは、整理した作品情報をもとにAIと壁打ちできます。ただし、AIが本文を代筆したり、物語の正解を決めたりする場所ではありません。何を採用し、どう書くかを決めるのは、いつでも作者です。
既存原稿を持ち込む目的は、作品を別の形に変えることではありません。
止まっていた物語の現在地を、もう一度見えるようにすることです。
関連して、長編小説が途中で止まる5つの理由や、小説の字数目標と構成管理も参考になります。
